絵画というテーマ設定にとらわれず、映画作品の分析から抽象度の高い哲学的議論にまで及んだ幅広い今回の討論は、まさにこの二人の組み合わせの魅力を最大限に引き出せたと言えるでしょう。一方で、確かにそのような幅広さは、場合によって絵画の問題の核心を回避しているような印象を与えかねません。
しかしながら、活字という形でここに公表される二人の対話のやりとりをじっくりと読みこんでいけば、現代において絵画というものを考える上での様々な糸口が、読み手の思考に自然と紡ぎだされていくことでしょう。なぜなら、まさに今回の討論の中でも言及されているように、多様な思考の反復運動の中にこそ創作を考える上での手がかりが豊富に存在するように思われるからです。対話という反復、音声から活字へのトランスフォーム、そして活字化された文面を再読していくこと。
シンポジウムの現場にいらした方も、ここで初めて記録を目にする方も、各人がそこから何かを汲みとって頂けるならば、con tempoにとって今回の企画を行った意味があったと感じることができる。そのように考えて、この記録を公表します (大山エンリコイサム)。

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